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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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DON's 9shu Tour(D9T) #1”ドーナッツとコーヒーの効用について"
 九州に入った。結構久しぶりなのだけど、あまりそのような感じもしていない。何故この時期にソロツアーを九州でやるのかについては、ハッキリとした特別な理由も目的もない。熊本でのザ・フルーツのレコ発イヴェントに出ることになっていて、ついでに里帰り旅行しようと思い、どうせ行くならば夜は時間あるので演奏出来たら良いじゃないか(実はそれほど沢山の”夜の友達”を持っている訳ではないのです・・・・)、持っていくのはギター一本で事足りるのだから、と(例によって)簡単な思いつきから始まったのでした。そうして熊本と、行く予定にしている長崎を足がかりにして、ゆかりのある各地に話を持ちかけ、ブッキングして、という経緯なのでした。どうもここ数年、ボクは自分の音楽活動を、いわゆる業界的なプロモーションの一貫とか、リリースだとかそういうものではなく、純粋に演奏する人間という感覚でやっているだけのようである。

 ただ、このブッキングを始めた頃(4月末か)、ボクは遅れてきた震災/原発クライシスでとことんやられてしまっていて、九州に帰りたかったのと、バンドも背負わず、大々的なソロツアーという訳でもなく、ただ一人のミュージシャンとして現地の仲間達と音楽を演奏し交わることでcureすることを切望していたのだ。ほとんど各地の仲間達は「New Stone Ageからやりますか?ドーナッツ&コーヒーは?」なんて思っていたようだけれど、ボクが今回やりたいのは、曲を演奏するのではなくて、純粋な音楽へのコミットメントなので、ソロツアー=ソロの曲を演奏するライブ、と考えて見に来られると、ちょっと失望させてしまうかもしれない。(一応Highway A Go GoとMo' Funkyはやりますけれど。枠をシッカリとキープ出来るように。まぁ、将棋でいう飛車と角みたいなものでしょうか。^^)

 さて、それが実現するかどうかはともかく、最近またFUNKモードへと近づいているのであります。ただ、一般的に言われているFUNK Musicとは、ちょっと違うものであろう。FUNKは、ある部分では抑制の美学と言うか、あくまで自分の自由意志に従わず、同じテンションやテンポをキープしたり、フレーズを繰り返したり、大きな音を出さなかったりするものだけれど、大音量でとことん自由意志に従い、流れるように進行していく、言わばサイケデリック音楽の身体を通したFUNKというものについて考えているのです。もちろん口で言うのは簡単なのだけど、実際それがどのような音楽的昇華をするのか、それはトライし続けてみないとボクにも分からない。なにしろボクは「身体」がその音楽/演奏を「喜ぶ」ものでなければやれない人間なので、頭で考え付いたことであっても、当然何度も何度もステージという衆目に晒されたプレッシャー下での演奏という場で試していかないと、自分自身が(というか、自分自身の"細胞"達が)「成る程、こういうことであるか。これは可、これは不可。」という具合に判断出来ないのである。その意味でも、今回のソロツアーは、ある種の混乱/混沌にあえてドボンと飛び込まなくてはならない。ショウとして問題なのは、そこから無事に戻って来れるかどうか、なのである。(そこで当然「飛車さんと角さん」が
ボクらを守ってくれるでしょう!)フリーフォームというのは事前に想定出来ることはない。しかし、危機的に外れてしまったときにどう持ち直すのかは、ある程度事前に細かく予想していればカヴァー出来るものでも、あります。どっかの事故だって同じことなのではなかろうか、とも思うな。

 昨日、福岡でのバックを努めてくれるポカムスのドラマー富重くんより、「お土産です。福岡で一番美味しいドーナッツです。」とハラドーナッツを頂きました。そして、いつものマイク&ショウジ宅にて美味しいコーヒーと共に朝食にしようかと思います。それは何らかの影響を今晩のプレイに及ぼすのでありましょうか。まだ混沌へ突入するまで数時間の猶予が残されています。その間にボクが出来るのは、想定外の事態が起こったときにどう体勢を整え直す事が出来るかの詳細なシュミレーションだけであります。それをやるのにドーナッツとコーヒーが「ものすごく」役に立つのは、間違いないですよね!
 
 
by dn_nd | 2011-06-08 09:15
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