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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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ゼロからイチへの跳躍。
 最初は、ただトイレに貼ってある大きなモントリオールの地図の一部をぼんやりと眺めていて「なんだか牛の横顔と似ているな」と考えていたのである。そうして、この地図の中にもっと他の隠されたシルエットがないだろうかと探し始めた。ある部分は遠近感のある(切手の図版にでもなりそうな)船に見えるし、ある部分は横たわった女性のヌードのようにも見える。もしかして、こういう目の錯覚から地名を決めることだってあるのかも知れない、例えばShip-villeとか、Weist-boroだとか・・・・いやいや、地名が決められるような時代に、この地図のような路地を含めた地形を俯瞰して見れるような地図はなかったであろうから、その可能性はすごく低いだろう。(だからJohnsville/ジョンの村みたいな名前になってしまうのだった)しかしよくよく見てみると、この詳細な通りの表示を含めた地図を作るのは大変であったろう。なにしろ、名前のついたものならばどんな細い路地であれ記載されていて、その線の細さ・活字の小ささ正確さは、とても手描きの範疇を超えている。コンピューターのグラフィックの仕事か。いやはや、技術の進歩とはすごいものだな、と思いつつ、それでもいくらコンピューターの仕事とは言え、その元になった人間が測量した偉大なる仕事がベースになっているに違いない。その人間は土地の形がどのようになっているかを調べ、島の存在を計り、路地がどのような方角で・カーブで・太さで繋がりあっているかを可視化しようと試みた訳である。色々なものが、より便利に、より正確にと発達・発展をしているが、それら全てにスタートとなる輝かしく大きな第一歩がある。ゼロからイチへの跳躍である。それは1を2に(更に3・4・5へと)する作業よりも大きな労力が必要なものであろう。あるものを「改良」していくのではなくて、「産み出す」訳なのだから。我々はこのモントリオールの地図のように、色々なものが「ある」ことを当然のこととして生きているが、そのあらゆるものに先人の偉大なる「ゼロ・イチの跳躍」があったのである。それを考えると、自分を囲んでいるあらゆるものが素晴らしく、人間は実に素晴らしく、可能性を持った存在であるなぁと、トイレから出る頃にはすっかり感動してしまっていた、そういう朝でした。ボクらにも何か偉大な仕事が出来るでしょうかね。(能力はないとは言えないでしょうけれど。)
by dn_nd | 2012-06-03 10:52
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