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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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OZ Tour#10.1 「真夜中にかけるブーガルー。」
 狂乱のパーティー@Wollongongの翌朝、割りに早い時間に(とは言え、結局12時ちょっと前にはなってしまっていたが)ツアー最終日のSydneyへと移動。というのも、Pabloの話によると午後からラジオのプロモーションでスタジオライブをやらなければならないらしい。(その朝に知った)しかも、ラジオのスタジオ内なのでドラムキットも持ち込めず、小さなギターアンプが2台しかないという状況らしいが、それでやれるかな?とのこと。もちろん、やる。このような場合、ボクの発想としては、まずそのようなシチュエーション的に簡単に出来そうな、例えばMy Big FriendやNo Lineなどの(どちらかと言えば)Folkyな曲をやるという手はNGである。簡単に出来そうにないことを、やってみせなければならない。ど真ん中の曲を、どうにかしてライブの熱量が伝えられるような演奏が出来ないかと考える。手持ちのもので、手持ちのもので・・・・。

 車中でボクは普通にしていながらも、一方別の回路で考え続けている。車内でかかる音楽、Pabloやメンバーとの会話がノイズとなって思考に浸入してくるが、それをヒントとして取り込んで、より「今・ここ」にフィットする演奏を見つけなければ。結果、ギター・キーボード・ベースを小さな音で鳴らし、Mesa Cosaのメンバーを含む残りの人間にタンバリン、スタジオにあった瓶やカンを使って、コール&レスポンスに参加してもらい、プリミティブなMo' Funkyを演奏することに。この時点でも、アイデアとしての外輪のイメージはあるのだけど、それが本当に上手くいくかは分からない。(リハーサルなんか無いのだし)スタジオは狭い。普通のラジオDJを収録する部屋である。もちろん与えられるスペースも向こうの指定するところになって、やりづらいのは当然なのだけれど、ここで「出来ない」ということになってはズボンズの名がすたるというものである。唯一自分の最低限動けるスペースだけは確保しておく。身体のフィジカルな動きが高揚を引き出し、それが「音楽さん」を迎え入れる。高揚感が、大好物なのだ。

 そして、「音楽さん」はやってきた。いつものMo' Funkyである。スタジオにいるDJも自然クラップや"Oh Yeah!"に引き込まれてきて、とても良い演奏となった。「この9年間ここでやった生演奏で、ここまで盛り上がったことはなかった。」と言っていた。Good。それこそが、ボクがやりたいことなのだ。手持ちの資質・条件で出来ること、に止まらず、いつものことが出来ないからこそ、発想によって「別の」より良いものを生み出す。これが最高なのである。それをやり遂げた時の幸せ感と言ったら、ないですね。スタジオでも、みんなが興奮して幸せであった。「音楽さん」どうもありがとう。(続く)
by dn_nd | 2012-08-29 09:32
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