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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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Autumn tour'14 vol.14 live@神戸マージービート
福岡から神戸へ。
九州を離れるのは寂しくもあるが、そろそろ旅も長く感じて始めてもきている。何故か3時間しか寝れず、飛行機での移動はあっという間で、なんだか脱水機にかけられたような気分での神戸入りだった。

今回もほとんど初めての顔合わせになるメンバーだったが、旧くからの知り合いのジンタくんがフェイザーを効かせたギターをガンガン弾いていて、思っていたサウンドとは違うが、これはこれでなかなか良いじゃないかと思う。(ジンタはリハ後に「キース・リチャーズを意識してフェイザーかけったスよ。」なんて言っていた。おいおいお前がキース取るのかよ。) 

ヘミングウェイを読み終わったので何かないかと本を探しに街に出る。スーパーで「ボジョレーヌーボー!!」と大きく書かれていたのであぁそうかと思い、ウイスキーを止めてワイン気分でいたら明日(11/20)からだと言われてガッカリ。でも気分を変えれず、赤ワインにすることに。よし楽屋でこっそり皆で乾杯だと思っていたら、車だから飲めないという。最近はミュージシャンとはいっても機材を運んだりしなければならないので、こういう断られ方をすることも多い。時代か。(時々は機材にこだわり過ぎなのではないかとも思うけれど。でもボクがこだわらな過ぎかもしれない。余談だが、以前楽器の専門雑誌の取材が来たときに、先に色々質問が来るのだが「どのようなギターを使っているか、その特色・理由は」「エフェクターは?」「アンプは?設定はどうしているか?」、どの質問にもボクの答えは「特に楽器にこだわりは無く、チューニングが合っていて重くなければ何でも構わない。エフェクターも特殊な歪みをしなければどれでも、アンプは会場にあるものをその会場の大きさや響き方に合わせてセッティングするから特に決まっていない。」と暖簾に腕押し的な回答しかしなかったので、取材そのものが無くなったことがあった。自分の音をどんな場合でも出す、というのは雑誌にとっては機材の話であって、ボクにとっては耳の話なのであった。かといって耳の雑誌からも取材はこないのだけれども。)

ともかくも、本番は怒涛のサイケサウンドで乗り切り(1曲目が始まる前に4弦を切ったままだったが)、多少のミスはむしろ味方につけて、面白いライブになった。みんなお疲れさま。

ジンタはズボンズの最初期からのファンで、今はBLONDnewHALFというバンドを5年以上続けてやっている。いつの間にかになかなか良いギターを弾くようになった。面白いことをやろうと思ってやり続けていれば、人間は成長するものなのだ。対バンに大学生がいて卒業するメンバーもいるからこれからバンドをどうするか分からないのだと言う。確かに音楽を止めるには典型的な節目がいくつかある。(卒業&就職、結婚、子供が出来た) それをどうしろと言ってもしょうがなく、本人が決断するしかないのだが、経験的に言うと、自分という人間を確立する為に何か一つのことをやり続けることが自らの成長を確認可能にするのは間違いない。(しかしそれが音楽である必要はない。)スウェーデンの刑事小説ヴァランダー・シリーズのなかにあったが、「自分は何者でもないという地点から、自分は何者かであるという地点まで行くのは、おそらく人間が経験する一番長い旅だ。」
結局どうあっても旅の途上であるか。



by dn_nd | 2014-11-20 18:12 | Tour日記
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