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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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タフになってもらわなければならない。Zoobombs Re-Boot Canada Tour#6
嫌な夢、とはこうである。
どこか(おそらく日本の)カフェにてブッカビリーと対面している。日は陰っており、調度はすべて古い濃茶色で、どことなく重たい雰囲気を醸し出している。ブッカビリーはごく薄いブルーのレンズの眼鏡をかけていて、窓の方を見てタバコを吸っているが、不思議と匂いはない。彼は冷たい目をしてこう言う。「だってあれは飲み屋でノリで言い出した話だったし、急遽アメリカツアーが終わるまでどうしてもドラムやって欲しいという事だったじゃない?俺だって他のバンドもあるし、実際マッツー(ボクのことである)とやるのは疲れるんだよね、要求が多いから。」ボクは、愕然としながらも、黙って堪えている。もう怒りだしたりは、しない(彼の言うことももっともでもあるのだし)。身体のどこかが段々と冷たくなっていく。また例の大きな喪失感を味わうことになるだろう.......。というところで目が覚めた。うーむ、まったく、嫌な夢だったな。こういう具合に人はそれぞれが罪をどこかに感じながら生きているのでしょうね。ハハ。

本日はカナダの首都であるOttawaでのショウ。ここでツアーは折り返しポイント。今回はベースのマッチに加えてタカ・ヒグチという若いカメラマンも同行しており、海外ツアーの経験がない若者二人にどのような変化があるのかも、興味を持つところであった。自分の活動的に、若いミュージシャンとの付き合いは多い。しかしその多くは好奇心の幅がそれほど広くなく、どちらかと言えば失敗するくらいならば手を出さないというスタンスを選択しているように思える。さて、内向き志向がデフォルトである日本人が、こちらの同世代人との交流を通して何を思うのだろうか。ボクは敢えて最初から二人に突き放した態度を取ることにしていた。まずは被保護体質を改善して、タフになってもらわなければならない。無理矢理話せない英語での交渉をやらせ、メンバーのいない地元バンドの家に一人で泊まるように命じてみたり、気が利かないところはこちらでフォローせず、意地悪婆さんのように逐一注意したり。(まぁ、こうやられてズボンズを離れていくのかもしれないですね。)そしてここにきて、若者二人は成長著しかったと言っていいだろうと思う。その具体的な内的変化は分からないけれど、何かを支持する前から自主的に行動する傾向が付いてきたし、少しづつ自分の意見を発するようになり、その結果ステージでも良いプレイをするようになってきている。このまま二人共が伸びて行けば良いと思う。これからの世界は、いずれにせよ彼らが担う事になるのだし。

Ottawaでのライブは、前日よりもずっと良くなった。ハコのマネージャーも「今度は来年夏のブルース・フェスに、ぜひ推薦したい」などと言っていた(半分聞いておこう)。毎晩々々ステージで大声で叫びながらstop&goをせわしなく繰り返しているボクはヘトヘトに疲れてきている。いやはや、「君は生き延びることができるか?」であります。明日は7時間のロングドライブ。
もう寝ましょう。
by dn_nd | 2015-05-01 08:10 | Tour日記
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