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Moostop脱退に伴うズボンズ活動継続の可能性の有無と5月のツアーについて。
 困ったことになってしまっている。早々に結論を出し、早く活動の道筋をみつけなければと思ってはいるのだけれど、実際に書き始めようとする度に、どこからどう手をつけて良いものやら分からなくなってしまっていた。それは、自分自身が「こうだ」という答えに確信を持てないからだし、現実的にも心持ち的にも、考えなければならないことは、あまりに複雑に絡まりあってしまっていて、あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てれば・・・と云う状態になってしまっているからである。順を追って書こう。

 年末に国内ツアーをやり、The Sweet Passionというアルバムに関わる仕事(長い長いツアーだった)が終わった後、ボクは珍しく疲れ果てて空っぽになっているのを感じていて、尚且つ数年をかけて作り上げてきたThe Sweet Passion的バンドサウンドも一種の飽和状態になっていたので、そろそろ新しい動きがどうしても必要ではあった。経験上、それは大きな変換にならざるを得ないという予感がしていた。そこにはメンバーチェンジという抜き差しならない事態に及ぶ可能性が見え隠れしているのを、薄っすらと感じていたし、実際大抵今までは(ほぼ)4年ごとのドラマーの交代という結末を招き、分解から再生へ向かうという繰り返しがあった。ある意味でボクらはその苦境をバネにしてバンドの緊張感を保ち、試行錯誤やバンド内混乱が新しいものを産むことを理解していたので、それを必要悪と受け入れていたと言ってもいいと思う。しかしそうは言っても「今」は4年前の自分とは違う。年を重ねて視野が変化した部分もあると思うけれど、今そしてこれから自分が求める「自分がやるべき/やりたい音楽」というものが、メンバーを交代させて再びサウンドを一から積み上げていかなければならないものか、また、それをやるだけの根気やエネルギー(それは音楽を作るというのとは別種のものである)があるのかどうか、という疑問も同時に存在したのである。確かにズボンズというのは、ボク自身も含めて能力的には不十分なメンバーの集まりであるけれども、その「不十分さ」を補う形で「より良いものを」求めるクリエイティヴィティを発揮してきたのだし、(不十分とは言え)自分達にしか出来ない音楽を作り上げてきたと自負してもいる。ある意味ではその自覚が強くバンドを支えていたと言ってもいい。と言うことはつまり、今ボクらは(自分達的に)未踏の地へと差し掛かっているのだなぁ、それにどう対処したらいいのだろうか、納得出来るディレクションはどこにあるのか、と若干途方に暮れながら考えていたのである。そこに、大きな爆弾が落とされた。

 年明けすぐの1月6日、ムーストップと飲みに行った。そこで彼は「バンドを辞めたい。」と宣言したのである。実はその時は、正直言うと寝耳に水という驚きではなかった。なにしろ自分自身にとっても「バンドをやること」は常に疑問がつきまとうイシューなのである。ある時は「これ無しで生きていくのは無理だ」と思わせるほどの栄光に輝く瞬間や達成もあるが、ほとんどの時は「一体何だってオレはこんな音楽をやり続けているのだろうか」という疑問、虚無・不安感と戦い続けることになる。そして、年を重ねるごとに頭の中で、後者の発言が影響力を増してくるのも事実だ。ボクとても辞めたいという人間を引き止める明確な動機も理屈も持ちあわせがないのである。その時はとっさに、「ウン、そりゃしょうがないよね・・・」としか返すしかがなかったのだが、かれこれ19年以上も一緒にやってきた仲間を失うということが、どれだけ大きな損失をもたらすのか、後でゆっくりと考えれば考えるほど(またその後数ヶ月に行ったライブ演奏から実感すると)、今までのようなメンバーチェンジ劇のようにすんなり収まる訳がないじゃないかという混乱が襲ってきた。どう収めることが良いのか分からないというのが率直なところである。その後他のメンバーを含めての話し合いが何度も持たれたのだけれど、ムーストップの決心は黒く太いゴムの芯と同じ程度に硬く重く、草原に寝そべった乳牛のように動かしがたいものであるようだ。さて、ボクらはどうすれば良いのだろう?

 最初にボクが考えたのは、「辞めるにせよ、このままムーストップという存在を、何事もなかったようにフェードアウトさせてはならない」ということである。今までドラマーのメンバーチェンジは、去るものは追わずというクールな態度で乗り切ることが出来たし、そうすべきだと思ってもいた。こんな苦境なんかオレ達にとっては何でもないんだ、言わんばかりに。また先述のように、新しい未熟なメンバーを加えることでバンドを活性化し、新しいエネルギーを獲得してきたのも事実である。しかし、ムーストップというかけがえのないメンバーの交代となると訳が違う。なにしろズボンズというバンドは、最初にボクとムー氏の間で結成されたものなのである。その張本人を、他の人間と同じように去らせる訳にはいかないし、また勝手に去っていくのは許されない筈である。

 ズボンズというバンドは、我ながら不思議な形で長続きしているバンドと思う。ボクらは活動のあらゆることを自分達「だけ」でこなし、どこにも所属せず、手伝ってもらうこともない。業界とはほとんど接点を持たないし、大きなフェスであってもどこかの小さなライブハウスであっても同じように自分達だけでセッティングするし、長い海外ツアーも4人だけで回る。DIY、というかっこいい主義を持っている訳ではない。ただ成り行きでやっている間にこのようになってしまっただけである。(実際、面倒なのである)何故このような活動が続けてこれたかというのは、ひとえに各地にボクらを受け入れてくれる人々がいたからである。ズボンズはそのような場所で多くの「仲間達」に支えられて活動を続けてくることが出来た。有難いことである。そして、そのような支えてくれる人達に何の挨拶もすることなしにムーストップがこの「運動体」から離脱することは許されない、なので、バンドが十全に機能するかどうかは置いといて何はなくともすぐにツアーを組まなければならない、とまずボクは強く思った。そうして今回5月からのツアーを計画したのである。新作のリリースなど普通に提示出来る話題も何もない。だかしかし、ここでやらなければムーストップの義理が立たないだろうと思われるところを厳選して(しかも例によって短期間で最大限回れるような)ツアーを組んだ。本当はもっと各地に少しづつでもいる「仲間達」に挨拶に行きたいところなのだけれど、日程的な限界もあってこのスケジュールとなってしまった。どうか、出来るだけの「仲間」がムーストップの残っているズボンズを見に来てくれるよう、願うばかりである。(ツアータイトルに関しては少し時間をいただきたい。まさか"Bye Bye Moostop Tour 2013"なんてものにする訳にもいかないものね。)

 とは言え、ボクはまだ苦悩している。ムーストップが不在で、果たしてバンドの存続が可能なのだろうか?いや何がなんでもバンドは続けるのだ、と明快に揺らぐことなく自信を持って宣言することが、今のところボクには出来ない。どちらかと言えば、全然無理なようにも感じる。何しろボクらは長くやり「続けて」きた。ムーストップは有能なベースプレイヤーでもあると同時に、家族同様であったし、身体の一部のようでもあった。今後の活動の有無、その答えはどこから来るのだろうか。ズボンズはこの辺りでケリがついてしまうのか、それともまだ新しい可能性があるのかどうか。さしあたって、ボクらは今思いつく限りの新しいアイデアの元でレコーディングをし(もちろんムー氏がベースを弾いている)、そこで出来たものがボクらをどこかへ連れていってくれるかもと希望するしかない。今はまだ分からない。(何しろ一昨日制作を始めたばかりだ) いずれにしても、音楽家を救い導くことが出来るのは、結局音楽それそのものしかないのだ。

ともあれ、今年の9月にズボンズは活動20周年を迎える。我ながら長い道のりを辿ってきたものだと思う。それを祝したイヴェントを同月行うことになると思うが、その時点で何らかの答えを見つけ、提示しなければと考えている。人生はなかなかままならないものである。今までも随分神様に力を借りてきたものだが、今回もどうかどうにか力を授けてくれないかと熱望している。幸い、と言えるのかどうか、今のところバンドは好調である。どうか皆さん最後になるムーストップのいるズボンズを見に来ていただきたい。

どういう結論へと着地出来るのか、今はYESともNOとも、ボクには言えない。引き続きムー氏と話し合っていこうと思っている。皆さんの力も貸して貰えると嬉しい。

ドン・マツオ
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by dn_nd | 2013-04-03 17:54
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