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それは未来の話である。Zoobomb Re-Boot Canada Tour#10(最終日)
トロント二日目にして、ツアーの最終日。

大抵ツアー中は、移動し、演奏して、寝てまた移動というスケジュールが組まれているので、なかなか街を見たり、買い物したりすることもないのだけれど、こうして同じ街に二日もいる場合には時間もあるので、皆んなで街に出かけることに。
ボクとマッタちゃんは公園にてお昼を食べつつ、今回のツアーが上手くいってまたズボンズが新しいステップを踏み出せる事を喜んだ。ブッカビリーが戻ってきてくれて良かったこと、マッチが思っていたよりもバンドに馴染んでいけそうだということ、何よりボクにしてみればマッタちゃんがずっと一緒にやって来てくれたからこそのズボンズであると思っている。始めた頃にはとてもこんなに長くやるとは思いもしなかったし、今も尚チャレンジする動機を与えてくれる音楽であることを、感謝しなければならないだろう。何と言っても、この活動全体が人生をとても意義深いものにしているのは確かである。まぁ、これからも紆余曲折はあるでしょうけども、ね。

サウンドチェックにて新しい曲を試す。帰国したらすぐに音源制作に着手したいと考えている。今のところは、ボク自身にもっとインスピレーションが必要なようだ。ともあれ、今晩がツアーの最終日であり、ここはズボンズに対する期待も一番大きな場所でもある。それに応え、更に上回る演奏を残していく必要がある。セットのテーマも前日とは違うコンセプトで、尚且つストーリーが前日からの流れを汲んで完結するように........などとブツブツ考えているうちに車の道を間違えてしまった。今晩もアルコールは抜き。

マッチにベースを部屋まで持って帰るように指示しておく。彼女はもっともっと練習が必要である。ズボンズの場合は曲を演奏する上で決まったことをやるのではなく、常に新たな挑戦が求められる。まだまだ気を抜いてはいかんよ、ルーキー。

会場に戻ったところで、着替えを忘れてきたことに気づいた。カメラマン・タカと二人で部屋に一旦戻る途中でEl'Mocambo clubの前を通ったので、せっかくだからそこで写真を撮ってもらうことにする。1998年ズボンズ最初の北米ツアーの中で、もっとも思い出深い会場だった。ここでDan Burkeとも出会い、今のズボンズのカナダでのポジションが時間をかけて作られて来た。残念ながら昨年クラブは経営者が売却を決め、今では窓に板が打ち付けられ、ネオンサインも消えてしまっているが、形はそのままだ。何故かブッカビリーが通りかかったので、一緒に撮影する。彼もその時に共にいたのだ。

ライブはすごく良いものだった。終演後、とても多くの人がボクと話したがって来たのだけど、全部振り絞った後ではなかなか英語の呂律も回らなくて訳が分からなかったのではないか。ここトロントでもお客さんの層が新しくなって来ている。(どうもボクらは固定ファンと共に年を重ねていくという形には収まらないらしい。これが良いことなのか、商売的に良くないことなのかは分からない) 出来ればまた帰って来れたら良いが、それは未来の話である。God only knows。

部屋に戻り荷物をパッキングして2時間寝た後に飛行場へ向かう。(なんと帰国したその日にブッカビリーの別バンド・Dachamboのレコ発ライブがあるので、彼は成田に着いたその足で会場まで行き、リハ無しでライブをやらなければならないのであった。無理なスケジュールをお願いして、すまん!) ボクも帰りの13時間のフライトの間、ほとんど寝ないで映画を4本も観た(James Brownの伝記映画を観て、自分のアクションの原点がそこにあるのを思い出した)。帰ってから考えたい事が沢山ある。このツアーですっかり自分自身を取り戻せたのは、一番の収穫である。(アルコールも控えて) もう若くもないし、何もかも出来るとは思わない。とは言え、何かを切り捨てるでなく、全てを包括した上で「諦め」の無い理想の未来へと邁進することが目標である。今はまだスタートを切ったばかりで具体的なヴィジョンは見えていないけれど、それがあることは確かだ。理想、これこそが失ってはならないものである。目を背けてはいけない。

ボクには、理想がある。
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by dn_nd | 2015-05-08 08:18 | Tour日記

これまでは楽な方向に傾いていた。Zoobombs Re-Boot Canada Tour#9
Canadian Music Week、トロントでの初日。

とても豪華とは言えないホテルのベッドに入ったのは午前5時頃だったか。数時間後には目が覚めて、皆で揃ってCanadian Music Week(CMW)の受付へとシェラトン・ホテルへ向かう(こちらはとても豪華なホテル)。ツアーをやっていたので考えもしていなかったのだが、CMWは3週間に渡る大きなイヴェントで、The Jesus and Mary Chain(Psychochandy liveをやるとか)やNoel Gallagerなんかがやったりするそうだ。ズボンズは懐かしのEl'Mocambo clubからほど近いSilver Dollarにて二日間のヘッドライナーショウである。シェラトンにて我々のボス、Dan Burkeと待ち合わせる。彼は3年前に来た時にはまだ紙ポスターを街に貼りまくったりしてプロモーションしていたが、今ではスマートフォンまで持っていて(当たり前だが、彼にとっては当たり前ではない。そういう人なのである)
、SNSを使ってプロモーションするのだと噴水の前でピンボケの写真を撮ったりしていた。OK、DON次はサウンドチェックの時にまた写真撮ろう。我々はチャイナタウンへ昼食に。

Silver Dollarはすっかり馴染みのハコである。サウンドマンのVladもセキュリティーのスタッフも顔馴染みで「やぁやぁズボンズ、よく帰ってきたな」という調子で嬉しいものだけれど、一方では前よりも良くなっていることを示し「やはりズボンズは凄いな」という印象を残したいという点で、ハードルは高い。そんなこちらの気合いが強すぎて(というかボクだけか)、アンプの場所決めに時間を食ってしまった。ひとまず退散。

「あの伝説の(Legendary)Zoobombsとやれて、とてもエキサイトしている」などと前のバンドがMCで言っていたので、「伝説のバンドにお帰り」とブッカビリーに声をかける。マッチは23歳にて伝説入りか。うむ。
実はこれまでずっとアルコールが入った状態でライブをやっていたのだが、今晩から止めることにした。無い方が良い気がしたからである。久しぶりに(おそらく3~4年振りか)に素面でステージに上がるので、若干ナーヴァスになってしたのだが、このツアーを経て理解したことは、「ズボンズ」という乗り物をしっかりとハンドリングするには、とことん音楽に入り込む一方で、冷静で正確な判断が必要なのだということである。そのためには、身体を良い状態に保っていなければならず、アルコールはその弊害になっていて、一時的な緊張の緩和を求めるか、長い目で見た身体の調子の保持を取るかというところで、これまでは楽な方向に傾いていたことは否めない(人は、弱い)。しかしもう終わりである。「ズボンズ」が俄然調子を取り戻して来た今、どちらを選択するかというのは選択ですらない、実際は。ボクに必要なのはアルコールを入れて楽しい気分になることではなくストレッチである。エイッ、エイッ。

トロント初日はアヴェレージといったところか。満員の会場は大いに盛り上がっていたし、多くの人が「今回のラインアップが今までで一番良い」とか言ってくれていたが、今のところは「全て出しました」という程度のレベルである。本当に良い時には全て出した上で。「更に奥の引き出し」に隠れているものまで表に引っぱり出すことになる。OK、今晩はこれで良し。明日はもう一レベル上を目指そう。ということで就寝は午前3時半。寝る前もアルコール抜き。
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by dn_nd | 2015-05-06 19:06 | Tour日記

もっとチャレンジが必要となってきている。Zoobombs Re-Boot Canada Tour#8
London,ONからHmailtonへ。

今週に入ってからは天気も良く、ここまで来たのだからということで、ナイアガラの滝へ。シンプルに壮大で素晴らしい。やはりこういうものは写真や映像を幾ら見ても分からないものなので、見ておかなければ。そして、Daily Queenのソフトクリームカップのピーナッツバターかけ。これも食べなければその凄さは分からないので、食べておきました。

HamiltonではMacMaster Universityのカレッジラジオステーションに出演。DJのJamieがズボンズファンなので、この近辺で我々は結構人気である。(アルバムがカレッジチャートの#1になることも) 自分で考えていたよりもバンドは上手くいっていて、これからの可能性に期待出来そうだというような事を話す。また、こちらでも昔からのズボンズのファンはブッカビリーの復活を大いに楽しみにしているようである。そして新ズボンズ・隠し球のマッチは海外でラジオデビューとなりました。

とは言え、ライブでは思ったように事が運ばず、少しばかり集中を欠いた演奏になってしまった。これはボクの責任である。バンドとしても演奏が出来上がってきつつあったので、もっとチャレンジが必要になってきているのだ。安定の上にドッカと座っていると、本物のエネルギーが発揮されないものである。いつでも緊急事態!というのがズボンズなのですね。いやはや。もっと自分に鞭を入れなければ。

ライブ終了後にその足でトロントに移動。就寝は午前5時。ツアーも残すところトロント2daysだけになってしまった。このやり残し感を持ったまま帰る訳には、いかんぞ。
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by dn_nd | 2015-05-05 08:54 | Tour日記

おれ達はここから始めなきゃならない。Zoobombs Re-Boot Canada Tour#7
OttawaからLondon, ONへ。

ブッカビリーの誕生日は、1日の3分の1(8時間)を車中で過ごし、その後ズボンズにとって(ブッカにとって)1998年に初めてカナダでライブをやった思い出深いヴェニュー、Call The Officeを再訪&ライブという1日となった。まったく人生はどんな仕掛けが用意されているか分からないものである。(しかも考えてみればちょうど15年前、トロント伝説のEl'Mocambo clubでのライブレコーディングを含めたツアーでもブッカの誕生日をニューヨークでお祝いしたのであった。(そしてそのツアーから15年間ボクらの別々の道を歩むことになる。)
お誕生日、おめでとう!

Call The Officeでのズボンズのフロントを努めてくれたHerat Attack Kidsは地元2ピースのバンドで、その肉食白人的なガタイの良さのものを言わせた力づくなロックがとてもカッコ良かった。このようなアクトを観ていると、さておれ達はここから始めなきゃならないんだよな、といつも思う。ロックに魅せられるのはそれが明らかなパワーを持っているからである。それを自分も持ちたいし、そう感じて貰いたいと考えている。しかしその肉体性は一目瞭然で、我々はどれほど身体を鍛えマッチョになったとしても、そもそも持っている基本的な肉体自体があのようになることはない。それを分かった上で彼らとは違う形での「圧倒的さ」を見出していかなければならないのだと思う。神様は我々に有利さではなく課題を与えたのだと考えよう。そして、勿論、課題をクリアしていくことで「自分自身」が理想に近づいて行くことになる。

ライブは、とても良かった。ズボンズとして再起動して7回のライブを経て、以前必要であったがソロ活動中にボヤけ始めていた鋭さや集中力が蘇って来ている。実は身体はそれにまだ付いてきていなくて、(書きたくはないが)とても疲れる。それでも、やはり「これ」を求めて生きているのだ。頑張ろう。
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by dn_nd | 2015-05-02 10:08 | Tour日記

タフになってもらわなければならない。Zoobombs Re-Boot Canada Tour#6
嫌な夢、とはこうである。
どこか(おそらく日本の)カフェにてブッカビリーと対面している。日は陰っており、調度はすべて古い濃茶色で、どことなく重たい雰囲気を醸し出している。ブッカビリーはごく薄いブルーのレンズの眼鏡をかけていて、窓の方を見てタバコを吸っているが、不思議と匂いはない。彼は冷たい目をしてこう言う。「だってあれは飲み屋でノリで言い出した話だったし、急遽アメリカツアーが終わるまでどうしてもドラムやって欲しいという事だったじゃない?俺だって他のバンドもあるし、実際マッツー(ボクのことである)とやるのは疲れるんだよね、要求が多いから。」ボクは、愕然としながらも、黙って堪えている。もう怒りだしたりは、しない(彼の言うことももっともでもあるのだし)。身体のどこかが段々と冷たくなっていく。また例の大きな喪失感を味わうことになるだろう.......。というところで目が覚めた。うーむ、まったく、嫌な夢だったな。こういう具合に人はそれぞれが罪をどこかに感じながら生きているのでしょうね。ハハ。

本日はカナダの首都であるOttawaでのショウ。ここでツアーは折り返しポイント。今回はベースのマッチに加えてタカ・ヒグチという若いカメラマンも同行しており、海外ツアーの経験がない若者二人にどのような変化があるのかも、興味を持つところであった。自分の活動的に、若いミュージシャンとの付き合いは多い。しかしその多くは好奇心の幅がそれほど広くなく、どちらかと言えば失敗するくらいならば手を出さないというスタンスを選択しているように思える。さて、内向き志向がデフォルトである日本人が、こちらの同世代人との交流を通して何を思うのだろうか。ボクは敢えて最初から二人に突き放した態度を取ることにしていた。まずは被保護体質を改善して、タフになってもらわなければならない。無理矢理話せない英語での交渉をやらせ、メンバーのいない地元バンドの家に一人で泊まるように命じてみたり、気が利かないところはこちらでフォローせず、意地悪婆さんのように逐一注意したり。(まぁ、こうやられてズボンズを離れていくのかもしれないですね。)そしてここにきて、若者二人は成長著しかったと言っていいだろうと思う。その具体的な内的変化は分からないけれど、何かを支持する前から自主的に行動する傾向が付いてきたし、少しづつ自分の意見を発するようになり、その結果ステージでも良いプレイをするようになってきている。このまま二人共が伸びて行けば良いと思う。これからの世界は、いずれにせよ彼らが担う事になるのだし。

Ottawaでのライブは、前日よりもずっと良くなった。ハコのマネージャーも「今度は来年夏のブルース・フェスに、ぜひ推薦したい」などと言っていた(半分聞いておこう)。毎晩々々ステージで大声で叫びながらstop&goをせわしなく繰り返しているボクはヘトヘトに疲れてきている。いやはや、「君は生き延びることができるか?」であります。明日は7時間のロングドライブ。
もう寝ましょう。
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by dn_nd | 2015-05-01 08:10 | Tour日記
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