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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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上を向いて。
 菅新総理大臣誕生、はやぶさの奇跡的帰還、ワールドカップ日本代表の予想外の大勝利と、ここのとこ割りにGOOD NEWSが続いているような日本である。ボクも菅新政権には大いに期待したいし、はやぶさくんのカプセルから何が出てくるか興味深々だし、まったくの門外漢ではあるけれどワールドカップも日本が勝利したとなると、にわかサッカーファンになってしまいそうになるほど嬉しいものである。このところの新聞の一面記事は実に潤っていると言って良い。一方で、ジックリ三日間かけて新聞を読むボクにとっては、日々の記事から日本という国が徐々に(既に?)世界の中でそのステータスを失いつつあるのがヒシヒシと伝わって来て、それをどう捕らえたら良いのか、考え中である。

 かつて日本は世界から「エコノミック・アニマル」などと揶揄され、ジャパンバッシング(日本叩き)されたりして、ある種の成金的悪者視されていたのだけれど、ここのとこの日本の立ち位置は「ジャパン・ナッシング(日本無視)」になっていると言われている。それは決して日本という国に誇りを持てないボクとしても、かなり悲しい。まだ叩かれている間は、悪者扱いであったとしても注目を集めているので、そこにはある種の興奮があり、その中から生きの良い政治や経済やカルチャーやサブカルチャーが生まれてくる。しかしそれももう過去の話になってしまった。今は明らかにその役目は中国が担っているし、韓国とて日本よりは上昇気分の中にいるのではないだろうか。見よ、日本の情けない有様を。今日本政府が強いステイトメントを表明したからと言って、世界がどれだけ注目してくれるだろうか。その内容の善し悪しにかかわらずだ。

 それは音楽とて同じ事で、本当に情けない状況である。小さいフィールドで精一杯いばったりしている、古い言い回しで使いたくないのだが、結局絵に描いたような「井の中の何々」の状態ではないか。勿論このような中途半端な国の状態では良いものは生まれづらいと思う。しかし、それは個々の意識の持ち方で変える事だって出来るじゃないか、しっかりと世界に向き合っていれば。おそらくこのまま中国や韓国の進出・発展が進んでいくと、面白いアンダーグラウンド・ミュージックも彼の国から出てくる事は明らかだし(ボクだってそれを考えるとワクワクした気分になってきてしまう)、自ずと世界の注目もそっちにシフトしていってしまうだろう。

 それで、どうなのか。ボクらは落ちぶれつつある国の人間だという自覚が必要だと思う。でもそれ自体は決して、まったく悪い事ではない。ちっぽけな国である日本がいつも世界の上位に君臨する為に頑張り続けるのも大変なんだから。二流、とまでは言わないまでも、今よりもっと下のランクの国という場所から、肩の力を抜いて上に上に向かうエネルギーを出した方がより面白い。そういう自覚を生まれながらに持って音楽をやる世代が出て来るのはいつの事だろうか。10年後か、15年後か。否、本来ならば今すべてのミュージシャンがそう自覚すべきである。フニャとした魂しか持たぬ奴は駄目だ。
by dn_nd | 2010-06-16 10:10
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