人気ブログランキング | 話題のタグを見る



ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
Top

トラブルとお友達に。
 金曜日、ものすごく久しぶりにドラマー・Pittとスタジオに入った。ズボンズは通常、スタジオに入ってリハーサルは殆どしない。あくまで現場(ステージ)で起こったことに対処するように求められているだけである。現場では毎度何かが起こる。モニターや照明がやりづらい場合もあるし、機材のトラブルもあるし、たまたまセッティングした位置が悪くて動きづらかったりとか、体調がおかしかったりとか(昨日のボクだ!)、する。その不調が原因でセットの進行がおかしくなり、ひどいライブになってしまうことも、昔はしばしばあった。それは来てくれるお客さんにとっても申し訳ないものだし、実際何より落ち込んでしまうのは自分達自身である。ミュージシャンにとって、良いライブが出来なかった時ほど嫌な気分になることはない。

 そこであくまで「プロ」として徹底的にトラブルの起こらないようにリハーサルし、検証を重ね、あくまで自分の思い描く音楽を披露する、場合によってはひどいと思っていてもあくまで顔には出さず、ステージをやり切る人もいるだろう。普通、「プロ」とはそういうものかもしれない。ズボンズは違う。ボクらはどちらかと言えば、「トラブル」と仲良くやっていく道を選んだ。

 ステージではほんの50分の間であれ、必ずトラブルが起こる。それを押さえつけて、もしくは見ない振りしてやっていくよりも、かわさないで正面からぶつかっていき、トラブルに積極的に対応する事で、思いがけないパフォーマンスに辿り着くよう、自分を鍛錬しておくのである。トラブルに対応する為のリハーサルはない。強いて言えば、日常的に起こる大小様々な事に自分がどうポジティブな結果を出そうと取り組んでいるか、その一つ一つである。

 クラブに着いてみると、PAはしょぼく、アンプは碌な音も出ず、ドラムキットはボロボロで、お客もパラパラとしか来ていない、という状況がある。(海外ツアーでは、よくある)その時、自分達は無力で何も出来ないと思ってしまっては、自分達の能力を開発することは出来ない。それでも最高のステージをやってしまうのだ、と1リットルしかない小さな脳をフル回転させ、エネルギーのゲインをグンと上げ、挑戦する。小さな人間達がそのようなトライアルをするその時、神様は微笑んでくれる。ボクはそう信じているのです。


 (ps、Pittとスタジオに入ったのは、ちょっと肩慣らしをするつもりだったのだけど、やっている間に新曲がどんどんでき始めてしまった、という話を書こうと思っていたのだった!神様はそれでなく、今日の話を書かせたのでした。新曲が沢山出来たので、冷めないうちにレコーディングしてしまおうかと計画中なのです。その話は引き続き!)

 
by dn_nd | 2010-10-03 07:54
<< うなぎ釣り。 善と悪のバランス。 >>
hidden hit counter