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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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ボクらは血球となって。
 車で移動するのが好きである。高速道路を車移動していると、自分達が一つの血球になって「日本」という身体を移動しているように思うことがある。そして色々な場所に立ち寄り、そこで様々な情報を得て、それを次の場所へと運んでいくことを繰り返す。渋滞していると、これは血栓か、などと思い、また流れ始めると、血が通い始めたような清々しい気分になる。車移動しているボクらは、血管を流れる血球なのだ。

 運転するのも好きである。みんな気を使って、か若しくはスピードを出しすぎて怖いのでか、あまり運転させてもらえないのだけれど、運転している時ボクは、実は運転していない。何というか、向こうから引っ張られているように感じながらハンドルを握っている。なので、自分でスピードを出しているというよりも、自然とスピードが上がっていくのである。「あぁ、引っ張られてるなぁ。」と思いながら運転しているのである。夜のドライブなんてもう最高である。気付くととんでもないスピードになってたりしますが。

 世界中でバンド達は車移動する。そうやって血球達は移動するという行動自体で情報をもたらし、交換しあい、また別の場所へと持っていく。車の中は移動を重ねれば重ねる程、様々な各地で得た必要なものや不必要なもので一杯になっていく。車移動はクールだとは言えないが、その中で形成されていく「車内ジャングル」は楽しさ以外の何物でもない。まさにロックンロールだ、とも言えよう。残念なのは日本という国があまりにリミテッドだというところか。これが北米ツアーなんかになってくると、「車内カオス度」はゼロ二つくらいレベルが違ってくる。ボクらはそれなりに節度を持った人間なので、そこまでひどくはならないけれど、向こうの若いバンドのワゴンなどは、本当にとんでもない有様になっていたりする。

 それで良いのだ。移動するカオスこそロックンロールの本質である。カオスの中で生まれ、カオスの中で熟成され、その影響が自分の変容を加速していく。そんなロックンローラー達がステージでカオスし、カオスを各地へと残していく。ボクらは移動する血球なのである。ブンブン!今日もやるぞ、ブンブンブン!!
by dn_nd | 2010-10-12 06:58
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