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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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より確かな座標軸。(ZOOBOMBS Amrerican Tour #7)
 昨日ロッキー山脈を越えてシアトルに入った。西海岸である。実に12年ぶり、とはいっても何も憶えていない。12年前のボクらは(ボクが、か)我儘で鼻持ちがならない思い上がった取るに足らない無自覚なロックバンドだった。ライブが思うように出来ないのを他の色々なもののせいにしたり、起こって最後までちゃんとライブができなかったりと、思い出すとそこから逃げ出してしまいたくなるほど恥ずかしい記憶である。12年という歳月がボクらをよりタフに寛容にしてくれたのは、本当に喜ばしいかぎりだ。何でも止めてしまうとそれまでになってしまうが、続けることででしか自分のやってきたことをクロニカルに見ることはできないと思う。何かを続ける、それが自分の生きていく上での座標軸になっていく。それは自覚している以上に大事なことなのかもしれない。勿論、「生きている」ことそれ自体が続けていることに他ならないが、それはあまりに大前提にすぎ、もっと「自分で選んだ」座標軸というものがあった方が、より確かな実感がついてくるのだろう。

 それにしても12年という歳月はボクらのキャリアを白紙にするのに余りある長さでもある。昨晩は残念ながらお客さんはたくさん来なかった。また1からスタートを切ることになるのである。それはそれでかまわない。ボクらのやっていることに曇りはないし、昨晩でもライブは良かった。考えてみれば日本でも同じようなシチュエーションに立たされてもいるのだが、それが原因でボクらがクサることもないし、音楽が駄目になっていっているかどうかは、見に来ている人達が充分に分かってくれているだろうと信じている。最後の審判のようにいずれ評価されることなのだろう。きっと。

 例によって"bad luck boy"Pittがスピード違反で捕まったりしたものの、ツアーは順調である。今朝は「ちょっと朝を楽しもうぜ。」ということでシアトル郊外にあるNorth BendのTwin Peaks Cafeまで朝ごはんを食べに行った。そこで出てきたホットケーキはブーブークッションのような大きさのが3枚、フライドポテトとベーコンとソーセージとその他野菜色々を炒めてホワイトソースをかけたカントリー・ミックスは大皿に山盛り、デザートのチェリーパイ・ア・ラ・モードはソフトクリームがドンとかけられていて、「アメリカへようこそ。」といった感じで後のことを考えず満喫した。(半分以上お持ち帰りだが。)アメリカという文化はどこまでいっても興味深い。異論反論はあるだろうが、この地の人達が総体として勝ち続けている(または、強迫的びそう思っていなければならない)のは確かである。どっちが良いとか判断は下せない。ボクはただ見ているのだ。
by dn_nd | 2010-11-09 14:56
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