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ズボンズのリーダー,ドン・マツオの思考あれこれ。
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Z.A.T.2011#5 「生物的歴史」
 N.Y.C.で活動している日本人女性4人組The Hard Nips(あのキューピーマヨネーズのCMで曲が使われている)のメンバーにアメリカでの生活の話を聞いた。
 本人のクリエイティブという自由な部分に関しては、断然NYCの方が良いという。アーティストのコネクションも出来やすいし、誰もが自分の好きなことを追求しているので、羽目を外して思いっ切りやれるというところであろう。一方で、こちらで結婚もしていて、ということになってくると、子育てをどうしていくか等、「普通」の生活をするのにアメリカはちょっと大変だということである。いわゆる貧富の階層化が極端に進んでいて、子供の教育に関しても、公立の学校なんかだと、教え方も適当になってくるし、子供達も小さい頃からギャングみたいなことをやっていたりするし(子供がひったくりをやったり、コンビニ強盗をやったりするのは未だに日常なのである。いじめも半端じゃないらしい。)、先生自身が悪いことに手をつけていたりと、聞いただけでとても通わせたくないものだけれど、私立の学校にやるには「かなり」お金が必要になってくるのである。お金のある人はそれなりの高い教養と安全を手に入れることが出来るが、そうでない人は同じようには成長していけないということであろう。

 そういう話を聞いて感じるのは、アメリカの自由とはあくまでその人「本人」に限定された自由であって、そこには保険や補償はないということである。確かにアーティストが自分の可能性を思いっ切り開拓し、出来る限り高い所まで持っていくという部分に於いてや、ただ「自分」が普通に生活していく分には良いのである。思いっ切り「自分」の人生を楽しむことが出来るような気がする。しかし人間というのは、やはり家族を作っていくものだし、ひとたびそれを自覚すると、自分とはなんと長い生物的歴史を背負っているのだろうと愕然とすることすらある。(何しろ何億年という単細胞からの繋がりがあるのだ。実際に!)その脈々と続いてきた歴史を「自分」という個人が「自分」のちっぽけな欲望の為に「はい、ここでストップ。おしまい。」ということにするには、とても大きな決断が要るように感じるのである。また、子供が自分よりもだらしなく教養も低く、貧しくなっていくことを歓迎する親なんているわけがないと信じる。親としては、自分のことよりも子供のことを優先して考えなければ、と思う。それはいつでも「未来」というものが善きものであるようにという、根本的な願いではなかろうか。ボクはそういう「良心」を捨てて生きていける人間は、生物としてかなり問題があると思っているのであります。

 ともかく、日本という国は無個性で画一的で、反対にアメリカは個性的で多様性があるという具合にネガティブに捉えられている部分もあるのだけれど、大きな「人間的」視点に立って見てみると、なかなか簡単に結論付けられない。すべてに良い面悪い面があるというのは、昨日も書いた通りであります。そこをまぁ、ちょっとづつ良い方向にグッグッと、大きな石のお金をギャートルズの原始人達が運ぶように、動かしていくしかないです。

 お?ナイアガラの滝に出発ですかな?
by dn_nd | 2011-03-07 08:00
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