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今回のツアーフライヤー用のエッセイ原文です。
’13年ムーストップの脱退は、バンドにとって致命的な損失だった。ムー不在のポッカリと空いた巨大な穴によって、ズボンズという生き物は動くことが出来なくなってしまった。その穴を治癒する事は勿論、怖くて覗き込むことすら出来なかったボクは、バンドの活動を諦めようと決心した。もう20年もやってきたのだし、これで十分じゃないか、年を重ねてこれから先良くなる保証も無いのだし、と心を欺くことでバランスを取るしか出来なかったのである。 しかし心の奥深くでは、ズボンズこそが自分のやるべき活動で、それを通してで無ければ今後「何か」を成し遂げることは出来ないのは分かってもいたのである。だから、どうにかして息を吹き返してやろうと、ソロ活動を通して数多くのミュージシャンと交わり、色々な再生の試みと仮想シュミレーションをやり続けていたのだ。"あいつ"を回復させることは出来るのか、その先まで行くことが出来るのか、ボクにとってそれは本当に切実な希望だったのだが、簡単に叶う事では無いように思っていた。 昨年の春、ボブ・ディランが東京にやってきた。公演初日、たまたま手に入れたチケットを持って、マッタと入場の列に並んでいると、ヤァヤァと男が声をかけてくる。振り返ると、驚いたことに15年間音信不通だったブッカビリーである。BBはバンドのオリジナルメンバーで、初期の数々の代表曲をゼロから共に作ってきた人間である。その頃のボクらはひどく若く、お互いの存在に我慢出来なくなる程やり合い、結果彼はバンドを離れることになった。(どちらかと言うと伏せておきたい青く苦い思い出である)だからその時ボクが何気なく冗談で「またバンドに戻って来るかい?」と尋ねたのも社交辞令以上の考えはなかったし、当然、彼も本気だと受け取らずただ笑うばかりであった。OK、まぁ今度時間のあるときに飲みにでも行こうよ。云々。しかし、バンドを巡る運命は不思議である。2015年、ブッカビリーはバンドのドラムの椅子に戻り、結果深い穴と傷を埋め、ズボンズを回復させることになった。いやはや、ボクにはとても信じられない事だ。(きっとムーストップも) 更に予測不能なことに、若き女性ベースプレイヤー(ズボンズに別の女性メンバーがもう一人?しかもムーの後釜に?)マッチが加わり、春には2週間のカナダツアーを良い形で成功させることが出来た。ここに来て、ボクはようやくズボンズが完全に息を吹き返したことを理解した。良かった。とても嬉しい。神様どうもありがとう。ならば、我々の不在期間に一目盛りだけ下がっていた世界の"ロック指数"を元に修復しなければ。そして出来得るならば、これから更にもう二目盛りくらい上げようではないか。その為に、ズボンズはあるのだろう。isn't it? どうか祝福して欲しい。 ドン・マツオ
by dn_nd
| 2015-06-21 00:26
| music
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